ZAITEN2024年04月号
「これは新たな権力闘争の始まりではないか―」
【特集】JAL〝ニセJAL〟鳥取社長誕生 赤坂院政で権力闘争再燃
カテゴリ:TOP_sub
日本航空(JAL)の新社長に、代表取締役専務執行役員の鳥取三津子(59)が昇格すると発表されたのは1月17日。4月1日付の人事として、現社長の赤坂祐二(62)が定例記者会見で明らかにした。羽田空港の滑走路でJALの旅客機と海上保安庁の航空機が衝突する事故が1月2日に発生してからわずか半月後の発表に、経済界や航空業界だけでなく、社内も大いに驚いたという。
その理由は鳥取の経歴にある。1964年12月31日生まれで、福岡県久留米市出身。長崎市にあった活水女子短期大学に進学し、バレーボール部に所属する。卒業後の85年4月に東亜国内航空、のちの日本エアシステム(JAS)に客室乗務員(CA)として入社した。赤坂体制の2019年に客室安全推進部長に就任し、20年に執行役員客室本部長、22年に常務執行役員に昇格。23年6月には代表取締役専務執行役員、カスタマー・エクスペリエンス本部長、グループ最高顧客責任者(CCO)に就任していた。鳥取の代表取締役社長執行役員就任は、JALでは女性初、CA出身者で初、短大出身者で初の快挙だ。さらには事実上吸収合併されたJAS出身者ということから考えても、いかに異例の人事なのかがわかるだろう。
一方で現社長の赤坂は、鳥取の社長就任に伴って代表取締役会長に就任する。代表権を持ち続けることから、内部からは「赤坂政権が長期化する」「事実上の院政」と懸念する声が聞こえてくる。18年4月に社長に就任してから今年で丸6年を迎える赤坂の暴君ぶりとパワハラ体質については、本誌23年6月号《JAL赤坂祐二「パワハラ社長」の求心力急降下》で既報した通りだ。
整備部出身の赤坂は、部内で「PA(パワハラ赤坂)」と渾名される存在で、社長就任によってパワハラは拍車がかかった。関係者は「幹部社員に対してパワハラ三昧の一方で、空港やCAなど現場の女性社員には笑顔を振りまき、役員の人事権を持つ社外取締役にはヘコヘコしています」と証言した。
そんな人物が鳥取に実権を渡すわけがないと見るのが自然だと別の関係者が説明する。
......続きはZAITEN4月号で。