ZAITEN2024年04月号

資産管理銀行の不正で激震

三井住友信託「CBJ問題」で旧住信支配の終焉

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 独立系のメガ信託としてメガバンクの向こうを張ってきた、三井住友トラスト・ホールディングス(THD)の経営が激震に見舞われている。震源地はグループ傘下の資産管理銀行「日本カストディ銀行(CBJ)」で昨年発覚した不正問題だ。巨大システムを擁する装置産業である資産管理銀行のIT利権を巡る前トップによる不正行為は、それ自体、目をそむけたくなるような腐臭を放つ。背後には親会社である三井住友THDにおける旧住友信託銀行勢の長年の経営支配の弊害があるというから、事態はなおさら深刻だ。  

 金融庁はCBJと三井住友THDに対し、第三者委員会による徹底調査と、再発防止に向けたガバナンス体制の見直しを求めている。大規模なシステム障害を起こしたみずほフィナンシャルグループ(FG)や、保険金の不正請求が発覚した中古車販売大手、ビッグモーターとの癒着が批判されたSOMPOHDの行政処分に絡んで、いずれもトップの首を獲った長官の栗田照久は、今回も親会社の経営責任を厳しく追及する構えだ。

旧住信勢の〝内ゲバ〟

 CBJは2020年7月、三井住友THD系の日本トラスティ・サービス信託銀行(JTSB)と、みずほFG系の資産管理サービス信託銀行(TCSB)などが系列を超えて合併し、誕生した。預かり資産は約650兆円(23年3月末時点)と国内最大。発行済み株式の33・3%を握る三井住友THDのほか、みずほFG(27%)、りそな銀行(16・7%)、第一生命(8・0%)などの有力金融機関が出資している。

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