ZAITEN2024年05月号
死屍累々でも〝暴走〟する販売局
読売新聞「朝日との最終決戦」に販売店大量廃業
カテゴリ:事件・社会
神奈川県内で約2700戸に読売新聞を戸別宅配していた読売新聞販売店が今年2月上旬、現在の同紙を象徴するかのようなトラブルの舞台となった。
この販売店所長(店主)S氏に近い関係者によると、同販売店は新聞の折り込みチラシによる収入が毎月400~500万円ほどあったが、昨年8月頃を境にこの収入が激減。前年同月比で毎月20~25%、金額にして毎月100万円前後が減っていく事態に陥ったという。さらに後述する、読売新聞本社販売局による理不尽な要求の影響もあり、同店の資金繰りは日を追うごとに悪化していった。
S氏は年末から年明けにかけて資金がショートして従業員への給料支払いもできなくなると予想し、ついに自主廃業を決断。昨年12月には自分の会社の役員であるT氏のほか、S氏自身がかつて従業員として勤務していた同じ神奈川県内の別の読売新聞販売店店主であり、S氏が独立する際には、販売権を直接買い取った相手でもあるMという人物に事情を説明、廃業について相談していた。
さらに、年が明けてすぐの1月5日以降には、読売新聞東京本社販売局担当社員Hのほか、この上司にあたる次長とも複数回面談。同29日には自主廃業届を差し出し、早急に後任を見つけてほしいとも訴えていた。 だが、2000年には5370万部だった発行部数が22年には3084万部と4割以上も落ち込み、直近5年間は毎年200万部以上も減らしている新聞業界にあって、新たに販売店を引き継ぎたがる者など普通はいない。
それゆえ読売本社の社員たちは、S氏から廃業の意思を示されるたびに慰留し、自主廃業届けを突き返したという。このため、S氏は不本意ながら当面の営業を続けざるをえなかったそうだ。
......続きはZAITEN5月号で。