ZAITEN2024年07月号
韓国ネイバーからの〈独立〉は前途多難
【特集2】LINEヤフー〝株主軽視〟の「ぬるま湯」人事
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6月18日、LINEヤフーの定時株主総会が開かれる。本来であれば、52万件もの個人情報の漏洩を引き起こし、総務省から短期間に2度も行政指導を受け、個人情報保護委員会からも情報管理に関する勧告を受けた直後の株主総会であれば、経営陣にも社内にもかなりの緊張感が漂うはずだ。
ところがLINEヤフーの場合は事情が全く異なる。議決権の64・4パーセントを、NAVER(ネイバー)とソフトバンクが折半出資する中間持株会社のAホールディングス(HD)が保持しているからだ。つまり、どれだけ個人投資家などの少数株主がLINEヤフー現経営陣に不満を募らせようとも取締役選任議案は否決されようがない。また、会社側が少数株主のうち2%強の賛同を得れば議決権は3分の2を超えることとなり、特別決議も悠々と議決できてしまう。まさに「親子上場の弊害極まれり」であり、社長CEOの出沢剛が5月8日の2024年3月期決算の記者会見を無難に乗り切ったことから、「社内には弛緩した空気が漂っている」(中堅社員)という。
実際、決算と同時に発表した役員人事は反省のかけらもない「おためごかし」とも言える内容だった。ネイバー出身の代表取締役CPO(チーフ・プロダクト・オフィサー)慎ジュンホとソフトバンク出身の取締役CSO(チーフ・ストラテジー・オフィサー)桶谷拓が6月の株主総会をもって取締役から退任するが、それぞれCPO職とCSO職にはとどまるというものだ。
......続きはZAITEN7月号で。
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