ZAITEN2024年07月号

【連載】井川意高の時事コラム「どの口が言う‼」 第9回

井川意高の時事コラム『どの口が言う‼』9 エセ文化人・エセ知識人に気をつけろ

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 編集部から降りてきた今月号のお題は「エセ文化人・エセ知識人」。「そんなこと言ったら、まずおまえがそうだろ!」というツッコミは無視。何故なら、私は前科持ちギャンブラーは自称しているが、自分で自分のことを文化人だとか知識人だとは思っていないので。強いて言えば口の悪い批判家といったところか。「批評家」ではなく「批判家」。自分のことは棚に上げて、気に食わない人物や企業、組織を批判しまくる碌でもない人間なので。

 では、私の思う「エセ文化人・エセ知識人」を列挙してみようか。

 鬼籍に入ったが、まずは坂本龍一を挙げねばならないだろう。いろんな問題に左翼スタンド観客席からグランドのプレイヤーにボールを投げつけていた彼だが、そもそも何か実績あったっけ? 最近も彼が自分の作品を演奏している場面だけを集めた映画が公開されたようだが。

 誰が言い出したか「世界の坂本」。エレクトリックバンド「YMO」で仲間とアルバムを一発当てて、映画「ラストエンペラー」で日本人のイメージを最悪にする役柄を演じ、テーマソングを作曲したという。これも一発当てた以外、なにか音楽家その他としての業績が思い浮かぶ人いたら教えて欲しい。「世界の坂本」というなら『スキヤキソング』の坂本九だな、私の中では。

「教授」とかいうニックネームで呼ばれたからか、知識人であるかのように思われ、本人もそのように振る舞っていたが、彼の意見など立民の塩村文夏あたりとほとんど変わらないレベル。リベラル左翼マスコミにもて囃される程度の薄い中身しかなかったと思うぞ。

 環境問題にも口を挟み東日本大震災の時には原発反対を唱えたが、そもそも自分は安全なニューヨーク在住で高みの見物じゃねえか。(コソっと付け加えると、妻矢野顕子がいながらニューヨークで愛人との間に子どもをつくるという、とてもリベラルな家族観もお持ちのようで)

 そもそも坂本はシンセサイザーなどの電子楽器を使って音楽を作り、その作品はオーディオ機器で再生という電気の消費で自身の存在が成り立っていたわけで、環境だとか原発反対とか「おまゆう?」である。  次に思いつくのは、池上彰、宮台真司といったところか。

 宮台については、批判の文章を書くのも面倒くさいくらいの低レベルなのでスルーするが、大体において「社会学者」ってインチキ臭い。彼らは「時代の空気」とか「社会の責任」「心の闇」といった言葉を多用するけど、それって何も言ってないのと同じだろ!
 それこそ「それって、あなたの感想ですよね?」である。(ひろゆきは嫌いだけど、使わせてもらいました)

 池上彰は、世に知られるようになった頃から嫌いである。いかにもフェアに物事を論評しているように見せかけて、じっくり読むと(聞くと)巧妙にリベラル、左サイドに読者(視聴者)を誘導していることに気づく。私は池上のことを「ステルス左翼」と呼んでいる。油断ならない左巻きエセ知識人である。

 そうそう上野千鶴子も忘れてはいけない。散々他人には「おひとりさま」の人生を勧めておきながら、自分はこっそり入籍していたというあたりがエセ文化人としての資格を満たして、とても香ばしい。(遺産目当てといううがった見方もあるが)
 どうして左巻きエセ文化人・知識人て、嘘つきなんだろうね?

 あ、嘘つきだからエセなわけだ。言動が一致していればエセではなく、本物だもんね。それにしても、坂本龍一といい大江健三郎といい左巻きエセ文化人て、どうして丸眼鏡が好きなんだろうね?

井川意高(いかわ・もとたか)――大王製紙元会長。1964年、京都府生まれ。東京大学法学部卒業後、87年に大王製紙に入社。2007年に大王製紙代表取締役社長に就任、11年6月~9月に同会長を務める。著書に『熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録』(幻冬舎文庫)など。

......続きはZAITEN7月号で。

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