ZAITEN2024年07月号
社長の息子管轄部署〝念書〟まで用意
大幸薬品「サンプル薬を社員に〝毒見〟」の異常倫理
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コロナ禍の2020年、二酸化塩素ガスにより「空間に浮遊するウイルス・菌を除去する」と謳った除菌消臭剤「クレベリン」の特需に沸いた大幸薬品。20年3月期と同12月期には2期続けて過去最高の業績を達成した。
しかし、22年1月に消費者庁からクレベリンの表示に合理的根拠がないとして景品表示法に基づく措置命令を受け、翌23年4月には景表法違反を理由とするものとしては過去最高となる6億744万円の課徴金納付が命じられた。
大幸薬品では一時は欠品続きとなるほどの売れ行きを見せたクレベリン需要に対応すべく、20年11月に大阪府茨木市に約20億円以上をかけ、従来の10倍の製造力をもつ新工場を稼働していたが、措置命令の発令後は逆に返品の山となり、操業開始5カ月後に操業停止に追い込まれた。
決算も21年12月期に95億円という巨額の最終赤字を出したのに始まり、22年12月期は48億円、直近23年12月期も36億円と3年連続で最終赤字を計上した。
また、19年下半期から上昇し始めた同社の株価は、20年8月20日には最高値2928円をつけたのを最後に急落。今年5月10日に、24年12月期第1四半期決算を発表し、最終損益は4億7200万円の黒字としたものの、同社の株価は、今年5月22日終値で382円まで下げており、株価は依然として低迷したままである。
「次期社長候補」の号令
しかし、問題を孕む事業はクレベリンだけではない。同社の〝祖業〟ともいえる胃腸薬「正露丸」を巡って、同社のコンプライアンス意識の低さがまたも露見するような事態が起きていた。
......続きはZAITEN7月号で。