ZAITEN2024年09月号
権力癒着役員によるテレビ支配の断末魔
【特集】日テレ・フジ〝老害〟栄えてメディア滅びる
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「荒廃」のメディア
老害取締役で腐敗するテレビ局、ガバナンス崩壊の新聞、出版社...
日本テレビに特大級の不祥事が続いている。まずは昨年11月、同局が毎年夏に放送している大型チャリティー番組『24時間テレビ 愛は地球を救う』に関して、系列局である日本海テレビの経営戦略局長が2014年から10年間、視聴者から集めたおよそ264万円の募金を着服していたことが発覚した。
さらに23年10~12月に日本テレビが放送したドラマ『セクシー田中さん』をめぐっても、痛ましい事件が起きた。
本作において終盤9、10話の脚本を原作漫画の作者である芦原妃名子氏が執筆していたことについて、降板する形になった本来の脚本家が12月末、SNSに「過去に経験したことのない事態で困惑」「苦い経験」などと綴り不快感を表明。これを受けて芦原氏も放送終了後の今年1月、ブログと「X」(旧Twitter)への投稿を通じて自ら脚本を担当した経緯を説明し、ここで同氏と原作の版元である小学館が、作品のドラマ化を許可するにあたり、「必ず原作に忠実に」「忠実でない場合は加筆修正をする」「終盤のドラマオリジナル部分については原作者が用意したものをそのまま脚本化する」「原作者が脚本を執筆する可能性もある」ことなどを条件としていたことが明かされた。
その後、日本テレビ、小学館がそれぞれ別個に行った調査の報告書によれば、芦原氏側が問い合わせをしたシーンについて、日本テレビ側が撮影前であったにもかかわらず、「すでに撮影済み」と虚偽の回答をし、その嘘を芦原氏も知ることになった結果、制作側への不信感をより強めたという事情もあったという。
芦原氏の投稿により、日本テレビおよび脚本家への批判が殺到した「炎上」渦中の1月28日、芦原氏は失踪。翌29日、栃木県日光市の川治ダムで自殺と見られる状況で遺体が発見された。
世間を揺るがしたこの2つの事件では、日本テレビの誠意のない事後対応も批判の対象となった。 「24時間テレビ」に関しては、47回目となる今年は制作中止もありうると見られていた6月20日、同局の看板アナウンサーである水卜麻美が、朝の情報番組「ZIP!」「DayDay.」の中で着服事件を謝罪したうえで、テーマを従来の「愛は地球を救う」ではなく「愛は地球を救うのか?」に変更して今年も8月31日から9月1日にかけて放送すると発表。
一旦休止するなどの選択肢はなかったのかという本誌の質問に対して日本テレビは、〈支援を待っている方が全国にいることも事実であり、続けることでしか信頼を回復することはできないという思いから〉番組制作にあたることになったと回答した。
......続きはZAITEN9月号で。