ZAITEN2024年09月号

豪華な社長室をあつらえている場合か

【特集】KADOKAWA「ハッカーに身代金」夏野剛の経営責任

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「荒廃」のメディア
老害取締役で腐敗するテレビ局、ガバナンス崩壊の新聞、出版社...

 KADOKAWAが大規模なサーバー攻撃を受けたのは6月8日未明。グループ内の複数のサーバーにアクセスできない障害が発生し、子会社であるドワンゴの「ニコニコサービス」などに影響が出たと翌日に発表。情報漏洩については「調査を進めております」とだけ触れた。同月14日の発表では、身代金を要求するランサムウェアを含むサイバー攻撃だったと明らかにする一方、「個人情報・クレジットカード情報等の漏洩は現時点では確認されておりませんが、引き続き調査を進めてまいります」と説明した。

 しかし、この説明は不十分だった。6月22日、経済メディアの『NewsPicks(ニューズピックス)』は6月22日、サイバー攻撃を行なったハッカー集団による身代金要求の脅迫メールと、ドワンゴ経営陣による応対メールを暴露。KADOKAWAが298万ドル(約4億7000万円)相当のビットコインをハッカー側に送金していることと、合計17億円相当のビットコインを要求されていることを報じたのだ。

 この記事で取材を受けたKADOKAWA社長の夏野剛は「分からない」とはぐらかすだけ。その後、記事が公開されると、夏野はニューズピックスのWEBサイトに次のコメントを書き込む。

〈このような記事をこのタイミングで出すことは、犯罪者を利するような、今後の社会全体へのサーバー攻撃を助長させかねない行為です。NewsPicksに強く抗議するとともに、損害賠償を含めた法的措置の検討を進めてまいります〉  

 すると、6月27日にはハッカー集団がダークウェブのサイト上に犯行声明を公表。1・5テラバイトのデータを盗んだと主張し、その情報を公開しはじめた。

 KADOKAWAは翌28日になって、「一部情報の漏洩が確認された」と初めて情報漏洩を認め、漏洩した内容は取引先情報と、ドワンゴ全従業員の個人情報などの社内情報と説明した。ところが、7月3日時点の発表では情報漏洩の対象が大きく広がった。「角川ドワンゴ学園が運営するN中等部・N高等学校・S高等学校の在校生・卒業生・保護者のうち、一部の方々の個人情報」、「取引する一部のクリエイター、個人事業主および法人との契約書」、「全従業員の個人情報」など。漏洩情報が「X」や「5ちゃんねる」などで拡散されたことから、削除を要請するとともに、悪質性の高い情報拡散者に対しては、刑事告訴や刑事告発などの措置をとる方針を示した。


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