ZAITEN2024年09月号

日本を代表する資産管理専門銀行が聞いて呆れる

日本カストディ銀行「不正問題〝泥沼化〟」で信頼失墜

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 日本カストディ銀行(CBJ)の不正問題が〝泥沼化〟している。不正を行ったとされる元社長とCBJは訴訟合戦に発展。国内最大の資産管理銀行の信用と信頼は失墜した。

 CBJは年金基金など機関投資家の資金の決済や残高管理を行う。預かり資産は650兆円を上回り国内最大だ。問題の発端は、2023年6月9日にCBJが発表した「元取締役による不正行為について」だった。その内容は、「元取締役による不正行為が行われたことが判明した」とし、「外部弁護士を中心とする調査委員会」の調査の結果、「弊社の外部委託業務に関連して、元取締役による利益相反や任務違背などの不正行為が認められた」とし、「刑事上の扱いについて、現在、捜査機関に相談を実施している」というもの。実に奇妙なのは、だれがどのような不正を行い、どの程度の被害が発生したのかには、一切触れていないという点だ。

 CBJが伏せたにもかかわらず、その後、CBJが23年1月から5月にかけて行った社内調査委員会の報告書が一部情報誌に流出、元取締役は22年12月末に任期満了で退任した田中嘉一元社長で、田中氏の元部下でITコンサルタント会社「コーラルテック」の廣瀬哲也社長が関与していると実名で報道された。

 実は、CBJの発表前、田中元社長は出身母体の三井住友トラスト・ホールディングス(THD)に社内調査委員会の調査は適切に行われていないことを訴え、CBJからの23年4月21日の事情聴取の要請に、「弁護士を交えて行いたい」と回答したが、CBJからは回答が得られなかった。また、コーラルテックの廣瀬社長は、23年5月の連休直前に受けた事情聴取の要請に対して、5月17日付で顧問弁護士から質問に対する回答書という形で返答したが、その後、この回答書に対する照会などはなく、さらに、その後、廣瀬社長は4回にわたってCBJに話し合いを申し入れたが、CBJが話し合いに応じることはなかった。

 社内調査報告書は、このように不十分な調査でありながらまとめられたものだった。報告書では、田中元社長が不正にかかわった案件は9件で、このうち6件にコーラルテックが関与したとしている。不正の構造は大まかに、システム関連案件で田中元社長が影響力を使い、コーラルテックなどを利用して、キックバックを得ようとしたというものだ。

......続きはZAITEN9月号で。

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