ZAITEN2024年09月号

【クレーマーズレポート】第81回 

キリンビバレッジ「〝詐術パッケージ〟の常習犯企業」

カテゴリ:クレーム・広報

 2023年、景品表示法改正案が閣議決定された。この改正による主な変更点は、「事業者の自主的な取り組みの促進」「違反行為に対する抑制力の強化」「円滑な法執行の実現に向けた各規定の整備等」の3点だ。  

 また、従前は措置命令に従わなかった場合に罰金が科されていたが、今回の改正により、故意に違反行為を行った事業者には、行政処分を経ることなく100万円以下の罰金を科せる「直罰規定」を新設するなど、より厳しい対応を取ることも決まった。

 これは悪質な業者に対して、政府として毅然とした態度で臨むという姿勢の表れもあるだろうが、後を絶たない違反に対して厳罰を求める世論の反映ということが大きいだろう。

 そうした状況下の昨年1月、キリンビバレッジは「トロピカーナ 100% まるごと果実感メロンテイスト」に係る表示について、消費者庁から課徴金納付命令を受けた。  

 本誌23年4月号でも、メロン果汁は2%程度しか用いていないのに、100%と誤認させる「〝詐術〟パッケージ」としてこの一件を報じたが、またしても同社に関して、読者から不満の声が編集部に届いた。

復興支援を利用

〈最近、購入したキリンビバレッジの「午後の紅茶 for HAPPINESS」に違和感を覚えましたので投稿いたします。  パッケージに大きく「熊本県産」と表示していますが、熊本県産の紅茶葉は全茶葉のうちのたった6%です。また、いちごは熊本県産「ゆうべに」を使用と謳っていますが、果汁の割合は0・1%。この程度では味や風味に影響があるとは思えず、「ゆうべに」の良さも伝わらないと思います。何より味もイマイチでした。  

 ごく少量の熊本県産茶葉といちごをもってして、「熊本県産いちごティー」とパッケージに大きく表示するのは、優良誤認を誘発しているようにしか思えません。  

 また、この商品は熊本の復興支援を謳っているらしいのですが、熊本県にゆかりがある私としては、〝熊本〟が利用されているようであまりよい気持ちがしません〉(読者からのメール)

 読者が指摘する〝熊本県産推し〟の構図は、昨年のトロピカーナの表示の件と同じで、キリンに反省の色が感じられない。読者が違和感を覚えるのも無理はない。  

......続きはZAITEN9月号で。

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