ZAITEN2024年10月号
〝軍事企業SONY〟の正体
SONY世界中の軍隊で絶賛される〝軍事企業〟
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軍隊が使う兵器や装備も工業製品であり、これらの見本市は実は世界中で行われている。防衛省の防衛装備庁は10年以上に渡ってこれらの見本市にパビリオンを出して、日本製品をアピールしているが、実のところあまり芳しい成果を挙げているとはいえない。
だが、その「お上」を頼らずに軍事の世界で不動の地位を築いている企業は実は少なくない。軍隊で必要とされるのはミサイルや戦車どの火力を持った兵器だけではない。多くコンポーネントや素材といった汎用品装備が使用されており、軍事専用ではない「汎用品」では多くの日本企業とその製品が活躍している。
例えば帝人だ。帝人はトワロンの商標名のアラミド繊維を供給しており、デュポンに次いで世界第2位の大手だ。アラミド繊維以外でもポリエチレン系の防弾繊維なども作っている。これらは繊維のまま防弾チョッキに使用されるだけではなく、ポリマーと混ぜてコンポジット防弾板にされて装甲車両の装甲などにも使用されている。また、トワロンは火に強いのでオランダのテンカーテ・アドバンスト・コンポジット社が米軍に納めている戦闘服用の耐火繊維にも使用されている。
これは日本の大手企業に共通しているのだが、軍事分野で売上を挙げていることをできるだけ世間に知られたくない、「死の商人」と指をさされて企業イメージが既存されるのを嫌うためだ。防衛省に納入している企業ですらもその傾向が強い。だがそれは投資家や社会に対する説明責任を果たしていないのではないだろうか。
もっとも軍事市場で成功している日本の大企業といえばソニーだろう。ソニーのCCDやCMOSなどの光学電子センサーは軍隊で多用されてきた。
......続きはZAITEN10月号で。