ZAITEN2024年10月号
ハッカーに身代金、大規模情報漏洩……
「角川ドワンゴ学園」に教育事業の資格なし
カテゴリ:事件・社会
KADOKAWAは8月14日、2025年3月期の第1四半期決算を発表。6月8日に発覚したグループ内サーバーへの大規模サイバー攻撃の影響により、ニコニコサービスのクリエイター補償費用や調査・復旧費用など特別損失36億円を計上すると発表した。
しかし、この中には深刻な情報漏洩への補償などは含まれていない。本誌9月号では、サイバー攻撃の発覚から1カ月半が経った時点でも、ハッカー集団との身代金交渉の内容や、情報漏洩の規模を全く明かしていないことに疑問を呈した。すると、発覚から約2カ月が経過した8月5日になって、初めて「現時点の調査結果」をホームページ上で明かした。その内容は個人情報が25万4241人分漏洩したというもの。そのうち、社外情報は、ドワンゴ関連の取引先の個人情報、角川ドワンゴ学園が運営する通信制のN高校、S高校、それにN中等部の在校生、卒業生、保護者、出願者、資料請求者のメールアドレスや学歴など。社内情報ではドワンゴ関連と角川ドワンゴ学園の従業員情報が中心で、このほかドワンゴの取引先の企業情報などが漏洩したと説明している。
しかし、この説明では問題の本質が見えてこない。N高校、S高校、開校準備中のR高校のホームページで、やはり8月5日に公表された「ランサムウェア攻撃による情報漏洩に関するお知らせ」によると、外部漏洩が発生したことを確認した角川ドワンゴ学園関連の情報は、18万6269人と記載されていた。つまり、サイバー攻撃によって起きたKDOKAWAグループの情報漏洩の大半が、教育事業である角川ドワンゴ学園の在校生や卒業生、保護者、出願者らの情報だということだ。
......続きはZAITEN10月号で。