『サスペリア』（1977年 ダリオ・アルジェント監督） 『インフェルノ』（80年 ダリオ・アルジェント監督） 『サスペリア・テルザ　最後の魔女』（2007年 ダリオ・アルジェント監督）

フライブルク（ドイツ）に住む「ため息の母」、ニューヨークに住む「暗闇の母」、ローマに住む「涙の母」の３母神。ダリオ・アルジェント監督による魔女３部作は、人類に災厄をもたらすこの３姉妹の恐怖を、独特の色彩設計と不条理演出で描いたホラー作品です。老婆、中年女性、若い美女と人間に擬態した姿はそれぞれ違いますが、『インフェルノ』のラストで見せた実体は黒装束の骸骨という「死神」そのまま。今回は植田和男日銀総裁、黒田東彦前総裁、神田眞人前財務官をこの３姉妹......もとい３兄弟に見立ててみました。苦しまぎれの彼らの判断が世界の株式市場の大混乱、ひいては「ブラックフライデーの再来」と言われる災厄をもたらしてしまうのだから、これはやはり３部作のラストを飾る『サスペリア・テルザ』並みのパニックホラーなのです。

澤井健（さわい・けん）イラストレーター。漫画家。現在、週刊文春『言霊U.S.A.』でイラスト担当、月刊映画秘宝でイラスト、コラムを連載中。2018年9月、コミック『イオナ』電子版が文藝春秋から復刻