ZAITEN2024年11月号
トップによる〝マッチポンプ〟が常態化
【特集】JA共済連「職員を〝自爆営業〟に追い込む」ワルい奴ら
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JAで「LA(ライフアドバイザー)」と呼ばれる共済の営業職を表彰するため、JA共済連が毎年開いているのが通称「LAの甲子園」である。 会長の青江伯夫は7月にホテルニューオータニで開かれた式典で、飛び抜けた実績を挙げた数人を前に、自身がJAに就職したときに当時の役員から教わったという言葉を披露した。 「中央会には頭が、全農にはモノが、バンク(筆者注=農林中央金庫)には金がある。共済連には人がいる、と。一番人間に近い仕事をしているのは、私は皆さん方(=LA)だと思います」 「厚顔無恥」と言い表すのが適切だろう。なぜなら、JA共済連は全国のJAに過大なノルマを押し付けながら、職員が自身や家族が嫌々ながら契約する「自爆営業」に至っている事態を、いまだに見て見ぬふりをしているからだ。JA職員が苦しむそんな事態が横行していることに監督官庁から責任を突きつけられたというのに、青江が2023年度の役員改選で会長に続投したことは、まさに厚顔無恥というよりほかない。
自爆営業を問題視
農林水産省がJA共済の運用に関する監督指針の改正を公布したのは、23年1月27日。その背景にあるのは、まさにノルマと自爆営業という悪しき慣習だ。
JAで共済事業のノルマを作るのは、JA共済連の全国本部。ここから都道府県本部を通じて、全国のJAにノルマを割り振っている。JAはノルマを達成すると、JA共済連から「付加収入」と呼ぶ奨励金が支給される。これが大きな収入源となる。 だからJAは、職員にノルマの達成を強いる。しかもノルマは過大であるため、職員が自爆営業することが常態化してきた。筆者の取材では、その金額は年間で数十万円は当たり前、多い場合には数百万円に及ぶ。
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