ZAITEN2024年11月号
文科省大学設置・学校法人審議会が疑問視
角川ドワンゴ学園「ZEN大学」認可保留でも一切説明なし
カテゴリ:事件・社会
角川ドワンゴ学園と日本財団が2025年4月の開学を目指している「ZEN大学」。「日本初の本格的なオンライン大学」を謳い大々的なPRを行ってきた。授業料は一般的な大学よりも安い年間38万円を予定している。
しかし、文部科学省の大学設置・学校法人審議会が8月28日に答申した来年度の開設予定大学に、ZEN大学の名前はなかった。審議の結果、設置認可が保留になったのだ。文科省は保留の理由を公表していない。しかし、角川ドワンゴ学園を含むKADOKAWAグループが受けたランサムウェア攻撃への対応に要因があると考えるのが自然だろう。
本誌は9月号と10月号で、KADOKAWAがハッカー集団との身代金交渉の内容や、情報漏洩の詳細を明かさないことに疑問を呈してきた。KADOKAWAのグループ内サーバーへの大規模サイバー攻撃が明らかになったのは6月8日。インターネットを活用した通信制高校のN高校とS高校によって、全国に1万5000人以上の生徒を抱える角川ドワンゴ学園は、6月26日の記者会見で新たにR高校の開校の発表をした。その席で理事の川上量生は、N高校などへのサイバー攻撃の直接の影響は「基本的にない」と述べていた。それが、8月5日になって在校生、卒業生、保護者の情報など18万人あまりの情報が漏洩していると発表したのだ。
川上の発言については「訂正してお詫び申し上げます」とホームページに分かりにくく掲載されただけ。サイバー攻撃発覚から3カ月以上経った今も、KADOKAWAトップの夏野剛は記者会見を開かず、身代金交渉の有無はおろか、情報漏洩対策や補償などについて何も明かしていない。
......続きはZAITEN11月号で。