ZAITEN2024年12月号
【連載】井川意高の時事コラム「どの口が言う‼」 第12回
井川意高の時事コラム『どの口が言う‼』13 「立憲より左寄りリベラルの石破茂」
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今月のお題は「石破だらし内閣と総選挙」。
先月の自民党総裁選予想、思いっきり外してしまった私ですが。 私の予想は、なんだかんだで自民党が一番議席を減らさずに済む、小泉進次郎が選ばれるというものだった。
ところが、自民の自傷行為ともいえる石破茂総裁誕生。岸田文雄前首相が総裁選決選投票で「高市早苗が首相になるのだけは阻止したい」と暗躍したとも取り沙汰されているが、いずれにしても#自民党に鉄槌を! #自民党に日本人は殺される! #自民党消えてなくなれ! の私としては、自民党の代議士数を一番減らしてくれそうな石破首相の誕生は万々歳ではある。 (「#」ハッシュタグはネット上でのタイトルのこと)
それにしても、先月は『ZAITEN』の発売日前に自民党総裁選の結果を予想しろとの編集部の無茶振り。今月は総選挙の予想をしなければならないって、かなりハードモードな訳で。この原稿を書いている今現在は10月20日ですよ。また予想を外したら恥の上塗り! 編集部は一緒に責任取ってくださいね。
という訳で、時事通信の世論調査では、石破内閣の支持率は発足3週間にして既に史上最低レベルの28%で、危険水域とのこと。よきかなよきかな。
そもそも、この「だらし内閣」の顔ぶれが酷すぎて失笑ものである。私はXで何度か自民党政治家で組織のトップになってはいけない体型の3人を挙げている。石破茂、林芳正、村上誠一郎である。3人とも体型があまりにも自堕落。どんな食生活、どんな精神性を持ったら、あんな醜い体型になれるのか?
自己節制、自己抑制さえ出来ない人間に、組織を率いることなど出来ない、その典型が3人も入閣とは、もう自民党は末期としか言えない。
他の入閣者を眺めても、ほとんどが初入閣。それでいて当選6期以上。つまり、これまでパッとしない自民党でも使えなかったボンクラ、冷や飯組ばかりということ。「在庫一掃内閣」である。
そもそも「後ろから味方に鉄砲を撃つ」石破は、自民党の中でもシンパはほとんどいない。その石破を推せば、「ワンチャン勝てたら、陽の目を見られる」とか思っている議員って、本人もクズだから。
国民もさすがにそのあたりは感じとっての支持率28%なんだろうね。あとはどこまで自公与党が議席を減らしてくれるかである。 私にとっての期待レベル1は、自民党単独過半数割れ。でもこれでは公明党と合わせて過半数なので何も変わらない。
レベル2は、自公で過半数割れ。これはまあまあ意味がある。野党に転落したくない自公は、維新なり国民民主なりと連立を組もうとして、いくらかは居住まいを正すかも知れない。
レベル3は、維新・国民民主との合従連衡では足りないくらいの大惨敗!
と書いていて、まさかの悪夢が頭をよぎった私である。
かつて総選挙に大敗して過半数を割ったら、戦後イデオロギーで対立していた筈の社会党とさえ利権のためには連立して、社会党の村山富市を首相に担いでまでも「自社さ政権」を作り、与党の地位にしがみついた自民党だ。なんなら立憲民主党とでも連立するかも知れない。
私は安倍総理亡き後の自民党のうすら左翼リベラルぶりを「第2立憲」と評していたが、石破の左寄りぶりで、今では「立憲より左寄りリベラル」なのだ。
悪夢の連立が実現してしまうかも......。
井川意高(いかわ・もとたか)――大王製紙元会長。1964年、京都府生まれ。東京大学法学部卒業後、87年に大王製紙に入社。2007年に大王製紙代表取締役社長に就任、11年6月~9月に同会長を務める。著書に『熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録』(幻冬舎文庫)など。
......続きはZAITEN12月号で。