ZAITEN2024年12月号
社交ダンスの名門
バルカー「36歳社長世襲直後」に発覚した2億円不正
カテゴリ:企業・経済
2024年9月末に中堅化学メーカーのバルカーが公表した不正案件が業界をざわつかせている。同社執行役員らが、特定の取引先と共謀、代金の水増し発注を行い、その一部を着服していたというのだ。現時点で判明しているだけでも約2億円。同社は特別調査委員会を設置し、事実関係を解明するとしている。折しも、6月に同社社長は創業家出身で36歳の瀧澤利治に〝大政奉還〟されたばかり。社長交代のタイミングでトラブルが生じるのはよくある話だが、何が起きたのかと楽屋雀が騒ぎ始めている。
プラントなどの配管のつなぎ目から液体や気体が漏れないようにするためのシール製品の製造・販売を手掛けているバルカーは1927年創業で、東証プライムに上場している。業績は、24年3月期で、売上高が前期比0・7%減の617億円4400万円、営業利益が同20%減の71億200万円、経常利益が同18・1%減の73億9900万円、純利益が同27・2%減の49億900万円。近年では、成長市場と見込む半導体製造装置向けに力を入れている。
同社は詳細を明らかにしていないが、主力部門である高機能シール本部で一連の不正は起きたようだ。〈調査の段階なのでコメントは控えさせていただきます〉(同社広報)とするが、不正の公表と同時に出された不可解な人事からもそれは透けて見える。同本部長で上席専務執行役員のSが10月1日付で外され、社長の利治が兼務している最高執行責任者(COO)付となったのだ。
......続きはZAITEN12月号で。
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