ZAITEN2024年12月号
業界全体の人員整理で転職市場も飽和
【特集】武田薬品「辞めるも残るも地獄」苛烈リストラの生声
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暗黒の「製薬企業」
アフターコロナで分断される組織内部と顧客への信頼...
今年8月に国内事業の再編、すなわち大規模リストラを打ち出した武田薬品だが、案の定、「退職を強要されている」と狙い撃ちされた社員から悲鳴が上がっている。複数の情報筋によると、ターゲットとなった社員に対する個別面談が8月下旬から始まっているといい、「面談回数が8回にも及んだ人もいるそうです」と同社社員は声を潜める。「退職強要は行わないと労使で合意したはず」との声も上がり、組合に駆け込む社員も相次いでいる。 「会社から『今のまま残っても厳しい。他の会社でも十分やっていける』と根拠のないことを何度も言われた」、「(退職しないとの)意思表明をしているにも関わらず、面談が繰り返され、精神的に追い込まれている状況を改善してほしい」、「任意選択でもあるはずなのに、リストラに応じるまで面談を求めるのは業務に名を借りた退職強要ではないのか」、「次の面談を断ると『業務命令だ』と言われるが強制なのか」、「面談時に、『今後の勤務地の希望は聞けない』と言われたが、退職せよということなのか」―。
9月下旬、武田薬品工業労働組合は臨時のウェブ会議を開催し、組合員からのヒアリングを実施した。テーマは、会社から執拗な退職強要が行われたことについて。前出の発言は、すべてその場で出た意見だ。複数の関係者によると、これを受けて武田労組は会社側に抗議。退職を強要しないように申し入れたとのことだ。
だが、「担当する人事部長のMは『面談のある部分だけをとらえて退職強要と言っているに過ぎない。面談全体を見れば〝退職強要〟を行っているとは言えない』と強気の姿勢を崩さないというのです」(武田労組関係者)。
......続きはZAITEN12月号で。