ZAITEN2024年12月号
院政体制を隠蔽する偽りの世代交代
【あきれた経営陣! 】メイテック「國分 秀世社長」
カテゴリ:企業・経済
2023年にメイテックグループホールディングス(HD)に移行したエンジニア派遣会社メイテック。持株会社化に伴い、24年3月にはHD代表取締役社長の國分秀世が退き、副社長だった上村正人が社長に就任した。
一見すると健全な世代交代による経営継承に見えるが、実態はそう単純ではないようだ。
〈HDの代表取締役社長から退いた國分だが、そもそも事業会社であるメイテックの社長は続けたまま。國分はメイテックの社長を10年続けており、実質院政的な経営者交代に過ぎない〉(同社関係者)
持株会社であるHDが東証プライムに上場するメイテックは、機械、電気・電子系、IT、化学分野の設計・技術エンジニアの派遣会社。1974年の設立で、創業者は馬主でも有名な実業家の関口房朗だ。85年には社名をメイテックに変更。98年には東証一部(当時)に上場した。
社長の國分は、82年に同社にエンジニアとして入社。自動車、家電などの民生品、工場などの生産設備の設計・開発に携わり、03年に取締役、14年には代表取締役社長に就任した。10年に渡って同社トップに君臨している。
昨今、代表取締役を退任した者が、「相談役」や「顧問」などの肩書きで会社に居座り、院政体制を敷くことを認めない企業が増えている。ましてや、上場企業においてはその傾向が顕著だ。
そうした中で、メイテックは事実上の院政体制を隠蔽していると前出の関係者は憤る。
〈24年6月に開催されたHDの株主総会では、國分がHDの社長退任後もメイテックの社長を続けることは、資料には小さく記載があるものの、その場での説明はなかった。同じく6月にはHDの取締役も退任しており、HDからは完全に引退しているように見受けられる。しかし、実際には事業会社の社長として依然として強い影響力を持ち続けている〉
後任の上村も國分とは昵懇の間柄。世代交代の実態は2人による会社の私物化だと指摘する声もある。〈執行役員、取締役会は國分・上村に絶対服従。2人に進言する幹部社員はいない。執行役員を中心とした幹部たちのそうした現状について、取締役会も把握しているはずだが、改善は見られない。取締役会の唯一の社内取締役は、もともと上村が経営情報部長時代の部下。経営的な能力も経験もなく、社員は絶句している。ガバナンスが機能するはずがない〉(別の関係者)
......続きはZAITEN12月号で。