ZAITEN2025年01月号

深掘り座談会

NHK「Nスぺ」ジャニーズ検証番組〝ヤラセ疑惑〟

カテゴリ:事件・社会

 2023年に社会問題として耳目を集めた旧ジャニーズ性加害問題ですが、『ZAITEN』では特にタレントをCMに起用していた企業、番組制作にあたってタレント出演をめぐり深く関係していたテレビ局、そうした番組の広告スポンサー企業などの問題や責任を追及してきました。

 この問題は、性加害の被害とその救済とは別問題として、特に半ば共犯関係にあったと言えるテレビ局、あるいはそうしたメディアと事務所の関係を詳らかにしようとせず、むしろ隠蔽に加担したとも言える大手新聞などの報道機関は、改めて反省と検証が必要ですよね。

 各テレビ局で検証番組がいくつか放送されたが、実態の究明という点で評価に値するものはほとんどなかった。言ってしまえば、「知らぬ存ぜぬ」で責任逃れの言い訳という側面が強すぎた。

 そんななか、10月20日に放送されたNHKスペシャル「ジャニー喜多川〝アイドル帝国〟の実像」が検証番組として話題になっています。

 NHKは性加害問題を受け、23年9月から旧ジャニーズタレントの新規出演を中止しており、さらに24年2月には旧ジャニーズタレントが当時レギュラー出演していた8番組も終了させ、24年度中の出演が事実上なくなることを発表していました。

 NHKによる旧ジャニーズへのこうした〝措置〟から1年以上が経過したなかでの同番組は、ジャニー喜多川とその姉メリーの実像に迫り、彼らの半生と実像に迫る前半部分と、後半部分はNHKを含めた関係者らによる証言などで構成され、性加害問題とメディアの関係に迫るものでした。

 約1年かけて制作されたとみられる同番組は、民放の検証番組とは一線を画す内容で、特に複数の証言からジャニー喜多川の半生を詳らかにした前半部分は評価が高かったようだ。

 一方で、番組最後には旧ジャニーズタレントのNHKへの出演を解禁することがテロップで説明されました。〈この問題はこれで終わったとは考えていません〉としつつも〈NHKも当時の認識や対応が十分ではなくメディアの責任を果たせなかったと自省しています〉として、この番組が〝反省〟の意味合いがあるような説明をしています。

 要するに、番組そのものがタレント出演解禁の〝禊〟として放映されたのではないかとの批判もあります。

 番組放映の直前、10月16日に稲葉延雄会長が定例会見でタレントの出演解禁を発表した。

 あるNHK関係者によると同番組は9月下旬の放送予定だったとか。定例会見でのタレント出演解禁をふまえると、この会見のスケジュールと無関係ではないと容易に想像できます。

......続きはZAITEN1月号で。

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