ZAITEN2025年01月号
設備不良連発でも 〝増配〟に利用者激怒
東武鉄道「設備不良事故連発でも〝増配〟に利用者激怒」
カテゴリ:クレーム・広報
世界と比較しても安全性や定時運行の正確さが高く評価されている日本の鉄道。都市部において多くの人々の〝足〟として機能する公共インフラの安全な定時運行は、社会生活の基盤と言える。 そんな公共インフラを担う事業者の姿勢に疑問を呈する読者からメールが届いた。
〈当方、東武鉄道が運行する東武東上線沿線住民です。 10月下旬から11月初旬にかけてトラブルが頻発しました。10月31日18時頃に日本共産党が地域活動に使う車が東上線の踏切を渡りきれず列車と衝突する事故が発生。東上線だけでなく、同路線に乗り入れている東京メトロ有楽町線、副都心線、さらに副都心線が乗り入れる東急東横線などにも影響が出ました。
さらに11月8日に通勤時間を直撃する形で、信号トラブルを理由に一部列車の運行中止・遅延が発生しました。ちょうど出勤中だった当方も、最寄り駅である東武練馬駅で立ち往生となりました。
翌9日の早朝にも信号確認の影響で遅延が発生、昼近くになってもその影響があったようです。
列車の運行に事故やトラブルは付き物ですから、何から何まで目くじらを立てても仕方がないです。特に踏切内での自動車との事故は鉄道会社だけの責任とも言えません。
しかし、東武鉄道は11月6日の決算発表において、2025年通期の連結経常利益を上方修正すると発表しています。これに伴い、株式配当金も増額になりました。前述の自動車事故は仕方ない面があるとはいえ、信号トラブルは明らかに設備保全、設備投資の軽視ではないでしょうか。
公共インフラでありながら、株主優遇、沿線住民や利用者無視の経営姿勢に強い憤りを感じています〉(読者からのメール)
利便性向上が仇に
東武東上線は東武鉄道が運行し、都心部である池袋から板橋区内を横断して、埼玉県の和光市、志木市、川越市方面へと伸びる私鉄である。また、東京メトロが運行する地下鉄有楽町線、副都心線が同路線の和光市駅まで乗り入れており、和光市駅から下り方面は東上線のみとなる。ちなみに東京メトロ副都心線は渋谷駅より先、東急東横線に直通、神奈川県横浜市の元町中華街駅方面に繋がる。
......続きはZAITEN1月号で。