ZAITEN2025年01月号

高まる危機の予兆

「石破・玉木政権」を襲う日本版トラス・ショック

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 民主主義国家では、時に世論の気まぐれが政治の秩序をかき乱す思いもよらぬトリックスターを生み出すことがある。先の衆院選で「手取りを増やす」というポピュリズム的公約を掲げて議席を改選前の4倍(28議席)に躍進させた国民民主党代表の玉木雄一郎(55歳)はまさにその典型だろう。

 石破茂政権が惨敗し少数与党に転落した結果、一躍、生殺与奪の権を握るキーマンに浮上した。特別国会での首班指名選挙で石破再選に事実上、手を貸しながら「連立政権入りに興味はない」と嘯く一方で、「国民の期待に応える」と宣って大規模な減税などバラマキ政策の実現を政府・与党に強硬に迫っている。

「内閣不信任案に国民民主が乗れば即刻、退陣に追い込まれる」(官邸筋)という断崖絶壁に直面する中、政権延命に汲々とする首相の石破は「玉木国民民主の要求を丸呑みしかねない状況」(霞が関筋)というから情けない限りだ。

 深刻なのは「石破・玉木政権」の野放図な歳出拡大路線が国家破綻の引き金となりかねないことだ。国の借金がGDP(国民総生産)の2倍を上回り1300兆円超にも達する中、市場で日本の財政運営に対する不信がひとたび広がれば、投資マネーが一斉に海外に逃げ出す。円・株・債券のトリプル暴落に見舞われる事態が懸念され始めている。

財源問題は「与党の話」

「自民・公明の衆院過半数割れで、国民民主党の協力がなければ(予算も税も)成立しないってことになっています。103万円の壁の引き上げに全力で取り組みますので、どうぞこれからもよろしくお願いいたします」  

 国民民主が11月15日にユーチューブ上の「たまきちゃんねる」にアップした動画。玉木は独特の軽薄な口調で自らの存在感をしきりにアピールした。

......続きはZAITEN1月号で。

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