ZAITEN2025年01月号
新ワクチンをめぐる〝恫喝訴訟〟にOBら辟易
明治HD「製薬子会社」制御不能でガバナンス崩壊
カテゴリ:企業・経済
明治ホールディングス(HD)子会社の製薬会社Meiji Seika ファルマ(Meiji)の暴走が止まらない。同社の新型コロナウイルス感染症に対する次世代型メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン「コスタイベ」に疑問や批判を呈する個人や団体、マスコミへの提訴を検討しているほか、マスコミに対してはいわゆる〝出禁〟にしたりするなど、上場会社グループ企業とは思えぬ所業を繰り広げているのだ。
Meijiを率いる社長の小林大吉郎とその側近が一連の対応を主導し、社内にも詳しい情報は知らされていないとの声も聞こえてくる。本来ならばブレーキ役となるべき明治HDも静観するばかり。業績にも影響が出てはじめ、まさにガバナンス崩壊とも言える状況に陥っている。
自民・公明両与党の大量落選が注目を集めていた10月の衆議院議員総選挙。27日の投開票を目前とした25日、医薬業界専門誌『ミクス』が報じたニュースに、業界関係者は目を疑った。
「Meiji Seika ファルマ 原口一博前衆院議員を提訴へ」。11月21日時点で同誌サイトでも公開されているそのニュースの見出しが躍る。10月24日にMeijiが佐賀1区から出馬の立憲民主党の原口を名誉棄損で訴える方針を固めたというのが記事の内容。
「選挙前から非科学的な主張を繰り返す」原口に対し、警告書を送付してきたが、改善が見られないため、訴訟に踏み切ることを伝えている。選挙公報などで、コスタイベを「治験をしたアメリカでもベトナムでも認可されていない未知のワクチン」とした上で、「(日本人が)モルモットにされていると言っても過言ではない」とし、さらにはMeijiのことを、大陸で人体実験を繰り返した旧陸軍の関東軍防疫給水部本部、いわゆる〝731部隊〟になぞらえたことも「社長らが激怒したのです」と同社関係者は明かす。
原口へのけん制として、後述する小林側近が、小林と示し合わし、懇意としているミクスに書かせたとMeiji社内ではささやかれているそうだ。「普通、投開票日前にこんな記事を出したら『選挙妨害だ』と言われかねません。よく出すことができたものです。書かせる方も載せる方も社会常識に欠けていると言わざるを得ません」と全国紙記者はあきれ顔だ。
......続きはZAITEN1月号で。