ZAITEN2025年02月号

長すぎる社長在任期間 見せかけ世代交代に噴飯

【あきれた経営陣! 】ビームスHD「設楽 洋社長」

カテゴリ:企業・経済

 セレクトショップのビームスの創業者のひとりで代表取締役社長の設楽洋が2027年4月末に退任すると一部メディアが報じた。報道によれば、同社は22年から社長定年を75歳とする人事制度を運用しており、24年12月時点で73歳の設楽が75歳となるタイミングで退任する見込みで、退任後は会長職に就任するとしている。

 ビームスは、1976年に創業したセレクトショップの草分け的存在。設楽の父・悦三が経営していた家業の業績悪化を受けて、多角化経営のひとつとして、アパレル品の小売業として設楽を中心に創業され、若者たちの間で人気を博した。24年12月時点で国内152店舗、国外19店舗を展開する。

 事実上の創業者であり、創業以来50年近くにわたってトップに君臨する設楽は、東京都出身で慶応義塾大学を卒業後、電通に入社。ビームス創業後は2足の草鞋を履いたが、83年に電通を退職。ビームスの経営に専念する。業界内での大御所として著名で、テレビ番組への出演などメディアへの露出も多い。ちなみに姪の三浦(旧姓・設原)りさ子はタレントでモデル、その夫はサッカー選手の三浦知良だ。

 その設楽の社長退任が報道されたわけだが、23年8月配信の『東洋経済オンライン』のインタビューで自身の進退について、「75歳で次の社長に譲ろうと決めている」とした上で、次のように語っている。 〈スタッフたちには定年があるのに、社長に定年がないのはおかしいと思い、3年ほど前に社長定年をもうけたのです。僕が75歳になる3年後は、ちょうどビームスが50周年と切りもいいので(笑)〉。

 だが、業界関係者からは今回の報道を訝しがる声もある。「社長職は退任するとのことだが、会長職にスライドするなら事実上権力は手放さないまま。現状でも社内では設楽に忖度する向きが強いようで、女性新入社員との〝距離が近い〟との指摘も聞こえてくる。見せかけの世代交代にしかならないのではないか」(業界関係者)。


......続きはZAITEN2月号で。

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