ZAITEN2025年02月号
入札参加資格を保有していないことが発覚
調剤大手アインと大阪維新の〝裏口入札〟癒着
カテゴリ:事件・社会
調剤薬局最大手アインホールディングス(HD)が、大阪市が整備する医療施設の敷地内に調剤薬局を建設する事業者に入札で選定されたものの、アインが大阪市の入札参加資格を保有していないことが後になって発覚、発注が白紙撤回されたことが分かった。
しかも、市側は議会に対し、白紙化の理由を「札幌の病院での入札妨害事件で逮捕者が出たため」と矮小化して説明しており、市長を輩出する大阪維新の会とアインとの癒着による〝裏口入札〟を隠蔽した疑いが濃厚だ。
問題となったのは、2018年3月末をもって閉鎖された大阪市立住吉市民病院(住之江区)跡地における医療施設の整備事業だ。公立大学法人大阪(地方独立行政法人)が、
①一般病床120床の病院と介護老人保健施設からなる病院・老健棟、②研究棟、③小児・周産期外来を担う付属棟、④管理棟―を整備する事業で、27年度に開業することとされた。
大学法人はこのうち③の付属棟について、プロポーザル(企画提案型)方式入札で民間事業者を公募し、22年8月にアインHD傘下のアインファーマシーズが選定された。 問題は付属棟の整備計画の詳細が秘密裡に進められたことだ。アインが付属棟の建物を建設し、そのテナントとして小児・周産期外来が入居する形となり、その見返りにアインは調剤薬局を開設するというもので、大阪市はこのスキームを議会にも地元住民にも、地元の三師会(医師会、歯科医師会、薬剤師会)にも全く説明していなかったのだ。
その理由は容易に想像がつく。閉鎖された住吉市民病院は、住之江区や隣の住吉区における小児・周産期医療の中核施設だった。付属棟に整備される小児・周産期外来は、いわば住吉市民病院の後継施設の位置付けだ。そんな重要な施設が、いち民間企業の建屋のテナントという不安定な地位に甘んじるスキームでは、地元住民や議会の理解を得られるはずもない。
......続きはZAITEN2月号で。