ZAITEN2025年03月号

「垣内院政」の〝後遺症〟が深刻化

【特集】三菱商事「垣内―中西独裁」に忍び寄る〝因果応報〟

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三菱商事「洋上風力」という〝時限爆弾〟は炸裂寸前

 年度末が近づくにつれ、三菱商事からは強い不安と怨嗟が伝わってくる。 「社内では今や、口に出すのも憚られるタブー案件。もし損切りすれば、社長の信認が地に堕ちるのは必至だ」  

 洋上風力発電―。2021年12月、経済産業省が再生可能エネルギーの切り札として実施した3海域の入札を、三菱商事が圧倒的安値で総取りしたことはまだ記憶に新しい。応札を仕切ったのは当時、翌年4月の社長就任が内定していた電力部門CEOの常務・中西勝也。3海域落札は、トップに上り詰めた中西の凱歌のように社内に響いたのである。  

 しかし、失注した日本風力開発など、再エネ新興企業から「ダンピング応札!」の大合唱が巻き起こる。批判は自民党へ伝播し、三菱商事への指弾は高まったが、その急先鋒だった環境派議員・秋本真利と日本風力開発の贈収賄事件が発覚、墓穴を掘る再エネ新興企業に中西は救われた。  

 落札から3年余り、世間を騒がせた3海域のプロジェクトは進んでいるのか―。いや、今や三菱商事の〝時限爆弾〟と囁かれる。それは悪運強い中西の場当たり的経営の象徴であり、社内には濃霧のような閉塞感が漂っている。

遠のく伊藤忠の〝時価総額〟

 今年度9500億円と4期連続で1兆円規模の連結純利益を掲げる三菱商事の業績は、外形的には絶好調だ。上期の純利益も6181億円と、通期計画に対し65%の進捗率に達した。

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