ZAITEN2025年03月号
歯止めの効かぬ隠蔽体質
【特集】垣内会長を悩ませる「パワハラ疑惑裁判」
カテゴリ:事件・社会
総合商社の純利益1位から陥落し、株価低迷が続いている三菱商事。本誌は直近1年間でも会長の垣内威彦の愛娘の縁故採用をめぐる動きや、ネットメディアの取材に「1兆円稼ぎ続ける体力がついた」と大口を叩き、社内外から失笑を買った社長の中西勝也の動向などを伝えてきた。本稿で報じるのは、本社から離れた福岡地方裁判所で開かれているある裁判だ。
訴えを起こしているのは、九州支社に勤務していた元社員の女性。女性は上司などから長年ハラスメントを受けたことで精神疾患にかかり、職場環境が改善されることなく放置されたことで病状が悪化した。病気休職の規定を理由に退職させられたことは事実上の解雇などとして、3件の訴訟を起こしている。1件目は2億7500万円の損害賠償などを求めて2019年5月に提訴。2件目は3億8500万円の損害賠償などを求めて同年9月に、いずれも三菱商事と当時の代表取締役である垣内威彦(現・会長)を被告として提訴した。3件目は女性の個人情報を社内外に漏洩したとして損害賠償を求めたものの、棄却されている。残る2件の裁判は併合されて審理が進められていて、今号発売直前の1月28日に一審判決を迎える。
この裁判を通して原告の女性は、三菱商事側の主張や対応に憤っている。なぜなら、ハラスメントが原因で精神疾患に罹患したと認定された診断書を、「預かっただけで受け取っていない」と主張し、ハラスメントがあったこと自体を認めていないからだ。三菱商事内で何が起きていたのか。
......続きはZAITEN3月号で。
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