ZAITEN2025年03月号
父子2代の日立マンのこれ以上ない人事……
日立製作所「大本命社長人事」の〝眉唾〟
カテゴリ:企業・経済
トップの機能不全で日立製作所が7873億円の巨額赤字で経営危機に陥ったのが16年前。子会社から本社の会長兼社長に呼び戻された川村隆(85)が事業選別の大リストラを断行し、業績はV字回復した。その日立が昨年末に社長交代を発表。だが会長留任で社長は副会長就任という〝訳有り企業〟にありがちな変則人事だった。
トップ人事の驚き
2024年12月16日、日立製作所は25年4月1日付で行うトップ人事を発表した。副社長から社長に昇格する德永俊昭(57)は「父子2代の日立マン、社長候補の大本命」と喧伝され、同社広報担当幹部らは「これ以上ない順当な人事」と平静を装った。ところが、現社長の小島啓二(68)の任期は発表時点でまだ3年半。前任で現会長の東原敏昭(69)の社長任期が7年2カ月なのを考えれば「〝えっ〟と驚く社長交代だった」(ベテラン証券アナリスト)。
2000年代以降の歴代社長と任期は以下のようになる。
◎庄山悦彦(20年死去)=99年4月〜06年4月【在任7年】
◎古川一夫(78)=06年4月〜09年4月【3年】
◎川村隆(85)=09年4月〜10年4月【1年】
◎中西宏明(21年死去)=10年4月〜14年4月【4年】
◎東原敏昭(69)=14年4月〜21年6月【7年2カ月】
◎小島啓二(68)=21年6月〜25年4月【3年10カ月】
◎徳永俊昭(57)=25年4月〜
在任4年未満の「短命社長」は小島を含めて3人だが、このうち古川は冒頭に記した巨額赤字の当事者であり、前任者の庄山のイエスマンだったことなどを問題視され、在任3年で解任された。
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