ZAITEN2025年04月号
月刊ゴルフ場批評90
「PGMマリアゴルフリンクス」批評
カテゴリ:月刊ゴルフ場批評
「PGMマリアゴルフリンクス」といえば、もとはオリックス系の「きみさらずGL」で、開場当時は「真里谷CC」だった。
しかし、なんで「マリア」なんだ? 地名の真里谷(まりやつ)にちなんだのなら「マリヤ」だろうが、公式サイトでは「聖母マリアが東京湾を望む......」とある。
だが、東京湾を望むのは東京湾観音だろ。「リンクス」という呼称にも違和感あり。リンクスとは海沿いに位置し、自然の地形を利用した砂地のコースのことだから、人工的にリンクス風に仕上げたところで、房総丘陵の高台にあるコースには無理がある。
オヤジの小言はこの辺にして、苛烈で刺激的な難コースとして知られる「鬼才」ピート・ダイ設計の日本第1号。グリーン周りがすべて池に囲まれた日本初の「アイランドグリーン」や、枕木バンカー、激しいアンジュレーションを持つグリーンなど、とにかくミスショットには容赦なく罰が与えられる〝ペナル型〞だ。
オープン当初は「シングルが100を叩くコース」として話題となり、怖いもの見たさに訪れたゴルファーも多かったが、2020年にPGMが買収。系列コースでは全国で17しかない最高グレード、「グラン(GRAND)PGM」コースの一つとなった。「グラン」は「日本を代表する威厳と品位を兼ね備えたハイグレードなゴルフ場」だそうな。では、その「グラン」ぶりを確かめてみよう。
この日はインスタート。出だしの10番は、フェアウエーも広く、距離も500㍎に満たない短めのロングホールで、一見、苛烈さは感じられない。残念なのはフェアウエーを横切る高圧電線。これだけで「リンクス」じゃない。だが、グリーン周りで鬼才が牙を剥く。 グリーンオンしたボールは、激しい傾斜を転がりマウンドの下の芝が薄い〝チャックリゾーン〞へ。
パターで転がし上げるしかなく、パーオンのはずが「ボギーがやっと」になってしまった。
P・ダイはその後もプレーヤーを苦しめる。フェアウエーは狭くないがコブや微妙な起伏があって、平らなライから打てることはほとんどない。ホールの左右はほぼ「原野」で即OB。まさに「ターゲットゴルフ」が要求される。
特にキツいのはグリーン周り。
激しい傾斜とポットバンカー、グラスバンカーにセパレートされ、アプローチに四苦八苦させられるうえ、グリーンに乗ったとしてもボギーも危うい。
しかも難コースゆえ、とにかく進行が遅い。ほぼ毎ホール、グリーンが空くのを待たされる。なんでも、この日は50組入っていたという。「威厳と品位を兼ね備えたハイグレード」とは程遠い。
また、何の疑いもなく「白ティ」からプレーしていたが、どうも短 すぎる。白のヤーデージは6000㍎ちょっと。これではパー4でもグリーンが空くまで打てないホールもあるのは当然。難易度が高いから、できるだけ短い距離でプレーさせようとしているのかもしれないが思惑は外れている。
「グラン」を謳うなら30組くらいに抑え、鬼才の難コースにじっくりチャレンジさせてほしい。
●所在地 千葉県木更津市真里谷2935-7 ●TEL.0438-53-6100 ●開場 1992(平成4)年12月19日 ●設計者 ピート・ダイ ●ヤーデージ 18ホール、6833ヤード、パー72