10月29日、香川県のトップ地銀、百十四銀行が渡辺智樹会長の辞任(10月31日付)を発表した。
百十四側の公式発表では「一身上の都合」というものだが、辞任理由は各紙が報じる通り、今年2月の取引先との会食の席上、同席した女性行員に対して取引先が「不適切行為」を働き、その場にいた渡辺会長らが制止できなかったことだという。
5月の社内調査で取引先の不適切行為が発覚、渡辺会長自身は6月、報酬・賞与の減額処分を受けていたものの、その後、社外取締役の指摘で再調査を実施。「不適切行為を制止できなかった」ことが改めて問題視され、それを受けて渡辺会長の引責辞任につながったとされる。
上記のように各紙報道では「不適切行為」と表現されているが、それが「セクシャルハラスメント」を指すことは周知の通り。
ところで、小誌「ZAITEN」は明日11月1日発売の12月号で「百十四銀行・渡辺会長『女子行員セクハラ事件」と題した記事を掲載している。
【ZAITEN公式サイト】http://www.zaiten.co.jp/
詳細はZAITEN12月号をご覧頂きたいが、小誌は複数への取材を実施した上で10月初旬、百十四側に渡辺会長らが関与したセクハラ行為について質問状を送付、広報CSRグループに回答を求めた。その際、担当者は「コメントすることない」と事実関係の認否を含めて回答を拒否。質問を続ける記者を相手に、しどろもどろになりながらも、最後までノーコメントを貫き通した。
そして10月29日月曜日。そのような取材プロセスを経て、渡辺会長セクハラ事件の記事が掲載された12月号が印刷・製本の上、編集部に「配本」されたその当日、百十四側は突如、渡辺会長の辞任を発表。小誌ZAITENの取材から約3週間の間で事態が一気に動いたというわけだが、果たして小誌の取材がなかったら、渡辺会長は辞任していたのか、大いに疑問が残る。
加えて、今年2月の取引先との会合には執行役員の本店営業部長(当時)も参加しており、その処分も不明のまま。同執行役員は10月からは今治支店長に転じているが、重要拠点の支店長就任であり、これが「処分」に該当するものとは到底思われない。また、小誌が確認している事実と、百十四の公式発表および各種報道の間には複数の齟齬も認められる。
さらに、渡辺会長自身は11月から相談役に就任するという。相談役廃止のご時世もさることながら、この期に及んでも渡辺会長が百十四にしがみつく姿は、同行のガバナンスが正常に機能していないことの証左と言える。果たして、報道にあるような、社外取締役による自発的な問題提起があったのか否か、これまた疑問が残るところだ。
そのような点を踏まえ、小誌ZAITENとしては、香川県のトップ地銀である百十四銀行において、コンプライアンスはもちろんのこと、ガバナンスが崩壊の危機に瀕しているものと考えざるを得ない。目下、香川・高松の百十四銀行本店内では関係者が対応を協議しているようだが、同行を巡って小誌は種々の情報を入手しており、銀行経営上も看過できない問題点が複数あると認識している。
小誌ZAITENは、百十四銀行の動向について、今後も注視していくつもりだ。
つきましては、明日11月1日発売のZAITEN12月号をぜひともご覧ください。
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