視聴率が低迷し本業の苦戦が続くフジテレビ。
2019年3月期は映画やイベント等が寄与して増収増益を果たし、業績面では一服感が出ているようだが、今期(20年3月期)は、前期のようにな本業外収入も期待できず、視聴率低迷が経営を直撃するともみられている。そんな中、フジテレビは宮内正喜社長が会長に、そして、作家・遠藤周作の長男として知られる遠藤龍之介専務が社長に就くトップ人事を発表。6月26日開催の株主総会を経て正式に就任する。
そんな宮内・遠藤両氏を巡って、ある疑惑が浮上している。社員情報の私的流用疑惑だ。
事の発端は、昨秋の学校法人「慶応義塾」の評議員選挙。慶応の最高議決機関である評議員会のメンバーを決める4年に1度の卒業生による選挙で、企業経営者はじめ、有力OBが是が非でも務めたいという名誉職である。
そんな評議員選に、慶応大学出身の宮内社長(当時、1967年・法学部卒)も出馬。フジ社内のみならず関連企業の慶応OBまでを動員して選挙に臨み、10月末に見事当選した。その際、選挙運動で活躍したのが、同じ慶応出身の遠藤専務(当時、1981年・文学部卒)だった。
本ブログ掲載の画像は、評議員選に際して、フジ社内で作成された「慶応出身者」名簿である。
画像のように、総勢280人余の社員および関連会社社員が抽出され、その社員番号、卒業学部等も記載されていることから、内部関係者、特に高度な人事情報にアクセスできる者でないと作成できないのは明らか。そもそも、社員の人事情報の中から「出身大学」をもとに名簿を作成できるのは、「人事部門の責任者だけ。あるいは、経営陣の指示がないとできない」(フジ関係者)という。慶応出身者だけを抽出していることからしても、目的は、その当時に宮内氏周辺が血道を上げていた評議員選としか考えられない。なお、名簿には慶応出身の有名社員も含まれているなど、小誌もその内容について「真正」であるとの確証を得ている。
要は、宮内社長周辺の指示がないと、作成する目的もなければ、作成すること自体、難しい代物なのだ。しかも、社員名簿の私的流用は重大なコンプライアンス違反、それを社長、専務の両トップが主導して行っていた疑惑が持たれているのだ。
この疑惑にフジテレビ広報は何と答えるのか......その回答と現在のフジの内情については、7月1日月曜日発売の小誌『ZAITEN』8月号レポートをご覧ください。
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